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風穴 江(Ko Kazaana/@windhole)のブログ。techジャーナリスト、コラムニスト。「tech@サイボウズ式」の編集者。

私の撮影失敗談

この記事は、「カンファレンスカメラマン Advent Calendar 2017」の「12月20日」のエントリです。

f:id:windholep:20171221061409j:plain (写真と本文の内容は関係ありません)


取材として写真を撮るようになって、かれこれ30年ほど経ちました。が、30年もやってるのに、写真の腕がまったく向上していない自分に呆れております。英語圏に住んでも、必ずしも英語力が向上するわけではないのと同様、漫然とシャッターを押してるだけでは……、ということなのでしょう。

そんな状況だったので、幸運にも参加できた「カンファレンスカメラマンカンファレンス #1」(CCC)は、大いに刺激になり、とても勉強になりました。実践(自己流の試行錯誤)も大事ですが、学ぶことも大事だと改めて認識する良い機会でした。CCC開催に関わった皆さん、本当にありがとうございます!

そのときの模様は、こちらの記事でどうぞ。

カンファレンスの興奮を切り取るカメラマンの知見と矜持を見た

皆さんからいただいた学びの恩返しになるかどうかは分かりませんが、これまでに私が犯してきた失敗を披露し、話のネタにでもしていただこうかと思います。

なお、私がずっと携わってきたのは報道、出版業界だったので、撮影はほとんどの場合、記録するために行うものでした。とにかく写っていることが最優先で、写りや構図などは、あればなお良し、という感覚でした。なので、記憶に残っている失敗談としては、写りや構図に関するものは、ほとんどないということを、あらかじめお断りしておきます(だから上達しなかったとも言える)。

黒いテープ

とあるカメラメーカーのエグゼクティブにインタビューさせていただいたときのことです。直前まで、質問内容で頭がいっぱいで、私にしては珍しく緊張気味だったことを覚えています。

先方の方々がいらっしゃって、一通り挨拶をし終わったとき、インタビューイーのエグゼクティブが発せられた言葉で、場が一瞬にして凍り付きました。

「キミ、そのカメラは何だね?」

何のことを言われてるのか、私はすぐには理解できませんでした。そのとき私が持参したのは、普段から取材に持ち出している編集部の機材で、標準ズームレンズ、ストロボという、何の変哲もないカメラ……、あ、ライバルメーカーのカメラ! えっ、そこ?(衝撃)

私はそのとき初めて知ったのですが、「インタビューにライバルメーカーの機材を持っていくのは失礼」と考える人がいらっしゃるのでした。えー、でもそんなこと言ったら、ぺんてるの取材でJET STREAM(三菱鉛筆の油性ボールペン、私のお気に入り)を使っちゃいけないのか、トヨタにはホンダの車で行ってはいけないのか、言い出したらキリがないでしょ……。とはいえ、世間には、そういうことを気にする文化(一部の人?)が厳然と存在するのでした。

後日、この話をプロ写真家にしたところ、そんなの常識だよと言って、バッグからあるものを取り出して見せてくれました。それが「黒いテープ」です。ライバルメーカーに行くときは、これをカメラのロゴに貼って、ライバルメーカーのロゴが見えないようにするんだそうです。「えっ、そんなんでいいの?」と思いましたが、いいんだそうです(なんじゃそりゃ)。

ちなみに、IT業界では(私が覚えている限り)、このようなことを言われた記憶はありません。むしろ、ライバルメーカーのPCを使っていると「使い心地はどう?」「どうしてそれを選んだの?」など、熱心にリサーチされたりします。私のような「常識」のない人間は、こちらのほうが居心地が良いんですよね……。

エア撮影

つい先日まで、ファインダーがないコンパクトカメラを使っていたのですが、そのカメラ、SDカードを挿入していなくても、普通に撮れちゃう(=撮影プレビューが表示され、撮れたように見える)という恐ろしい機能がありました(内蔵メモリは搭載していない)。

警告が一瞬、表示されてたのかもしれませんが、老眼のため、カメラの液晶画面は細かいところまではよく見えてないのも敗因のひとつ。なので、一瞬、撮影プレビューが表示されたときに、だいたいの構図や写っている範囲などを(ぼんやりと)確認して、すぐに視線は被写体に戻るので、全然気づかずに撮影を続けるという悲劇を、何度か経験しました。

これは本当に恐ろしい体験です。本当に。まったく何も写っていないのですから(当然)。これ以上の悲劇はないでしょう。今思い出しても、背筋が凍ります。

そういえば昔、フィルムカメラの頃も、フィルム送りがちゃんとできてなくて全滅したこともありました。自分が経験を積むうちに、シャッターチャージのときの手応えや音で何となく気づけるようになり、やがて、そんなことはほとんど遭遇しなくなりましたが。

ちなみに、当該カメラは、後のファームウェアバージョンアップにより、色つき文字で警告が出るようになりました。これなら、以前よりは格段に気づきやすくなったと思います。とはいえ、この「エア撮影」機能って、本当に必要なのかしら、と思ってしまいます。SDカードが入ってなければ、どのみち記録はできないので、シャッター動作(撮影+プレビュー)をする必要はないのでは? 撮影できなければ、さすがに気づくので、そのほうがユーザーフレンドリーなUXのような気がします。

ともあれ、カメラを選ぶ際は、「SDカードがないときに、どういう警告が出るか」もきちんと確認することをお勧めします。

失敗談はまだまだあるのですが、長くなったの(と、締め切りを過ぎてしまったの)で、今回はこの辺で。少しでも参考になれば幸いです。

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